柄谷行人という人は、「資本主義がおわるおわる」とか「国連がうまくやるぞ」とか騒いでみたり、思想なき反原発を言ってみたり左翼としては困った人であるので、この人がいかにおかしいかを示しておこうと思う。

柄谷が「資本主義が終わる」という時のこの人の楽観的思考の問題性。資本主義がただ経済としてだけ終わったときにどうなるか?

1,人々の価値観はまだ資本主義的所有観念しかない。生産設備は誰のものか?株主だった人のものに。

2,人々の労働観は、賃労働でしかない=株主を支配者とする、株主のために働くものだけが労働であり空に価する。インターネットの言論など無価値になる。学など無価値になる。

3,そして柄谷は、国家がなくなったときのことをユートピア的に描く。原始共産制のような、なんだかほのぼのした社会を描く。封建的なものに戻るということを考えない。農民が土地を耕すしかないように、株主の生産手段を耕すしかないことを考えない。

だから資本主義が終わるに際して、その価値観も終わらせないと地獄になる。日本では大衆がそういうのを終わらせたことなどないということ。

そしてこの人は反原発と主張する。デモをやれという。国家を滅ぼせという。国家がなくなって原発もなくなって、電気も資本のになり、さらに状況を悪化させる、ということ。

柄谷がこういういい加減な人間であるのは書いたものを見てもわかる。一般的に言って彼の書きかたは読み手の感覚に満足を与える表象を探し出して、それを後付でパズルのように組み合わせるという手法にある。

http://www.shinchosha.co.jp/shincho/tachiyomi/20110607_1.html

私は『世界史の構造』において、マルクスに従って、社会構成体の歴史を経済的下部構造から見ようとした。ただ、マルクスがそれを「生産様式」から見ようとしたのに対して、「交換様式」から見ようとしたのである。

生産様式とは高々生産だけを見るだけじゃなくて、交換様式も含んだ全過程のこと、生産だけを見るときは直接的生産過程見たいにいう。直接的とは即時的といっても同じで、人間は一気に全部を理解することはできないから、まずは一点だけを見て、それからそれの関係をみるという見方になる。マルクスが生産様式というときはこういう全課程、すなわち交換、交通過程も含んだものである。

交換には四つのタイプがある。A:贈与と返礼という互酬交換。B:略取と再分配、または服従と安堵。C:商品交換。さらに、D:Aの高次元での回復。

交換が、贈与であるかとか、略奪であるかとかは心理的な側面だけであって、少なくとの唯物論的にみる場合は度外視ししていいものである。そしてそれが反復的に繰り返されていれば、現代の価値観から言って略奪であろうと彼らにとっては常識ですらある。

最後に、交換様式Dは、交換様式Aが交換様式BとCによって解体され抑圧されたのちに、それを高度なレベルで回復することである。

『世界史の構造』において、私が普遍宗教の問題をとりあげたのはそのためである。私は宗教を経済的下部構造(交換様式)から見る。最初にのべたように、これまでマルクス主義者は、宗教は経済的下部構造(生産様式)によって規定される、イデオロギー的・観念的な上部構造であると考えてきた。一方、非マルクス主義者は、宗教を経済的・社会的次元とは別の次元にあるとみなす。しかし、それらはさほど違うわけではない。マルクス主義者も上部構造の「相対的自律性」を強調するし、非マルクス主義者も宗教が歴史的に社会・経済的な構造によって規定されてきたことを否定しない。

下部構造とかはドイツ観念論に大してのアンチテーゼとして出てきたもの、なんでも精神に還元するように見えたカント、ヘーゲルを覆そうとしたもの。あるいはヘーゲルが大変すぎるゆえに、その一部のみの解釈で全部を説明しようとするものが溢れかえって収集が付かなくなっているような状態を覆そうとした物。あたかも今の経済学のような状態を。この人はこんなことを言いつつも、唯物論の視点をすっかり放棄して、アニマがないと動物を殺せないとかの精神論に陥りつつそれでも、交換が宗教を規定するとか逆さまのことをいって平気でいる。

こういうことになれば最初に書いたように、価値観、労働観が宗教になったとき、それが普遍宗教なんであると、もうしょうがないんだとなる。辛いのは気のせいで甘えである、となる。

いずれにしろ、こういう安っぽい啓蒙主義のたぐい、専門そっちのけで、陳腐な啓蒙、政治活動をしている社会学者や経済学者。こういうやつらに騙されて楽観気分でいても裏切られると思っておいたほうがいいはず。もっと自分が敵対的と感じることに対して敵対の論理を見つけることを考えたほうがいいはず。

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