田母神氏更迭と日中関係

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田母神氏の書いた論文がマスコミとネットを賑わせている。しかしその論点の中に欠けているものがあると感じる。まず気づくのがマスコミの論調が産経を除いてすべて田母神批判に終始していることだ。

この論文はアパグループという企業が主催した「真の近現代史観」懸賞論文で最優秀になった。アパグループの代表元谷外志雄氏のことをWEBで調べてみると経営者として異彩を放っている、ということが読み取れる。

http://www.apa.co.jp/book_dvd/index.html
http://www.apa.co.jp/outline/outline07.html

元谷氏の思考は右寄りなもので中国共産党に対する対して批判的であることがわかる。

そこで今、このような論文が出て一番困るのは誰かといえば、それは中国に資本を移転している経団連だ。いまや経団連と中国共産党は仲良し関係にあり、これに水を差されるのが困るのだ。

マスコミ対してサヨなどのレッテルを貼って批判している人間がネットには多くいるが、今回の事態には左翼など出る幕がない。いや左の主張と経団連の意向が同じ方角を向いてしまっているのだ。

その結果が産経以外はすべて批判的言説なってしまった理由である。

左翼は経団連に棹差す存在となってしまっている。こういう状態では中国批判は潰されるし、首相の靖国参拝なども不可能だろう。

日本の企業が中国に進出するということは、日本人の労働力の価値が中国人のものと比較されることにより均されてくる。結果日本人の賃金は相対的には減少する。

左翼はこの問題をどう考えたらいいのかの教科書を持たない。新自由主義が荒れ狂っている内はそれを批判していればよかったが、それが一段落しつつある今、この問題を真剣に考えなければならないときに来たと思う。

EU、市場化をすすめる中国、土台の揺らいだアメリカ、そのなかで日本の左翼は現実的な提案をしていかなければならない時期になった。

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