日本をあきらめてしまった日銀の白川方明総裁

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高度成長から安定成長へ―日本の経験と新興国経済への含意―

総裁によると、どんな国でも、高度成長を迎えた後、成熟期に入り衰退していくらしいです。衰退とは書いていませんが、そういうことらしいです。そして高度成長が可能であった背景として以下の点を上げています。

  • 人口
  • 競争
  • グローバル化

しかしこれはおかしいです。競争とグローバル化は、21世紀に入ってますます広がったのだから、それに比例して日本も成長しなければおかしいはずです。そこで出てくるのが人口です。人口が減ったから駄目だよっていうんです。しかしこういってしまったら、ではなぜ人口は減ったのか?という問いに答えなければなりません。経済あるいは一国の動向というものは、他のものに原因を求めていっても解決できません。それ自身がそれ自身を生み出し変革していると考えないといつまでたってもループします。

人口といってしまうと、今の若いやつらが脆弱になって、それが原因で日本が衰退していると捉えられかねません。総裁にそういう意図はないにしてもそうなってしまいます。事実大企業の偉い人などは子とあるごとに日本の若者は駄目になったと嘆きますし、政治家なども露骨には言わないにしてもそう感じさせる発言をします。

もちろん総裁としてはこういう発言は日本のために、すなわち日本が外国に輸出していくための論理として持ち出しているのかもしれません。輸出をして日本を成長させるという考え方は純粋に経済としてみれば、すなわちお金の流れとしてみればそうかもしれません。しかし物の流れというものを考えたとき、日本人の作った物は日本で使われず海外で使われる。日本で消費されるのは海外で作られたものが多い、ということになったとき、人々は物を作るという行為に充実感を感じなっていくということも危惧しておかなければなりません。

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