国旗損壊罪

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一般的に言えば政府による国旗の扱いが厳しいほど、国民は国旗に対して価値を感じていない、といえるでしょう。

こういう法律を作ることに興味がある政治家の目的は国旗の価値を高めることにありますが、実際にはそれは価値を下げるものとなります。国旗の損壊といっても損壊されるのは国旗という物体ではなくその中にある精神的もので、精神的とはいっても所有権のような低次のものではなくもっと高級な何かです。

こういった精神的なものに対する個人の評価は外からでは矯正、強制することのできないもので、近代になり、個人の価値評価を尊重する度合いが増えれば増えるほど、社会では個人の自発的評価にこそもっとも評価に値するものとなり、その量の積み重ねが国家に対する質的転換をもたらします。

だから、国旗の価値を高めたいのなら、国家の価値を高めなければならず、そのためには国民に評価される国家でなければなりません。

なぜ国旗損壊罪が国旗の価値を貶めるのかといえば、表面的に言えば、損壊しないという行為の理由がもはや個人の国旗に対する価値観から出てくるものではなく、強制的に禁じられているからという理由と区別が付かなくなるからです。

しかしだからといっても、もし国旗があまりにもひどく扱われているなら、こういう法律を国家はつくらなければならなくなるはずです。そうしないと国家がなくなってしまうからです。しかし今の日本を見渡す限り国旗は大体の場合丁重に扱われています。

よって今の日本にはこのような法律は必要ないです。

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