かわいい文化の終焉

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日本のサブカルの柱の一つは「かわいい」であった。「萌え」などとも言われたこの概念だが、この「萌え」という言葉はもうほぼ聞かれなくなっている。

個人的にはこれは歓迎する。今日本ではメインカルチャーまでが「かわいい」で覆われ、その結果かわいくない女性には価値はないとし、それが社会的、経済的な人間のリアルな現実の領域まで浸透してしまっている。

これからのサブカルを担えるモードは何になるのか?少なくともアメリカ的な「self-confidence」的なものではないだろう、それはオタクになじまない。とはいえいわゆる「セカイ系」もやりつくした感があり、それではオタクの欲求を満足できないのではないかと思われる。

ひとつの可能性として「過去への回帰」という視点があると思う。アニメで言えばこの概念を実現しているのは宮崎駿だ。彼の志向のひとつは文明の中で失われてきた、人間の自然的側面、つっこんで言えば人間の動物的側面、植物的側面である。それは「もののけ姫」やこれはまだ見ていないが「ポニョ」などに現れていると思う。

そういった「過去への欲求」はどの人間もそなえる本質的な欲求であると思う。人は機械の中にずっといると自然が欲しくなる。この欲求は人間とて遡れば動物であり、生物であるというその現実が求める肉体的な欲求だからだ。

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