福田内閣総理大臣記者会見を見て感想。
内閣改造から間もないこの時期に辞任ということは、この短い期間に起こったことの中に決定的な理由があるという風に考えるのが普通だ。思いつく限り以下のようなことがある。
- 太田農相の事務所費問題
- 「改革クラブ」問題
- 内閣支持率が上向かなかった
いろいろなことを述べていたが核心は次のようなことと思われる。
「(民主党の審議引き延ばしなどで)なにを決めるにも時間がかかった。・・・(略)・・・。体制を整えた上で国会に臨むべきであると考えました。・・・(略)・・・。今ここで政治の駆け引きで政治的な空白を生じると、政策実施の歩みを止めることがあってはなりません。この際、新しい布陣の元に政策の実現を計ってまいらなければならない。」
キーワードは「政治の駆け引き」か?上のようなことを放置したまま国会に突入すれば、それだけで国会が空転し、政策的な話ができなくなる。福田さんはそういうことが嫌いなのか、それともこの時期に自民にとってこれはやばいと考えたのかは不明だが。
しかしこの時期の福田さんは気の毒と同時に自業自得と感じる。小泉竹中改革で、経済的な向上心を持たない労働者の賃金は下がってしまった。福田さんもこのタイプだろう。世界を肯定し、金儲けのことを考えるのが好きで、前向きで積極的な人間というタイプとは違い、堅実で言われたことをちゃんとこなすタイプの人間だ。労働者だってほとんどがそうなのだ。そういう人たちの賃金が減るような社会をつくった自民党が、同じようなタイプの人間を首相にしたところで結局なにもできなかった。自民党総裁自らが自分たちのつくったルールのなかでつぶれてしまったのだ。