リフレとかいって日銀のせいにする人々

投稿者:

Twitterでリフレやインフレターゲットの議論を見ていても、日銀が悪いと言うのをあたりまえの前提のように話すひとが大勢いて、とても議論になってない感じだった。しかし現状デフレというならまずその原因について考えなければならないのだが、偉い人たちでも考えが割れていてよくわからないようだ。

デフレが社会的な問題となるにはある程度それが続いてそれが本質的変換に基づくものと認識されているからだろう。逆にいえば一時的なそれは偶然的な ものと見なされ問題とはされない。

だとするなら、このデフレ問題の解決も本質的なものでなければならないし、そのためにはデフレの原因を本質的なところで捕らえておかないとならな い。本質的ということがわかりにくければ、経済学的に長期マクロとして、と考えればいいだろう。

色々言われているデフレの原因について。

1、バブルが崩壊して物が余ってるから

確かに色々あまる、しかし色々余っても、それは一時的に生じたもので、上に言うように本質的な要因とは考えられない。もしこれが本質的だとすると一 度バブルがはじけたら延々デフレになることになるが、やぱりそんなことはないと思う。そのうちに回復する問題だろう。

2、中国の安い商品が入ってきたから

確かに入ってきているのだろう、そしてこれからも入りつづけると仮定してもいいだろうから、本質的変化と言うことはできる。

中国の商品が安いのは中国の労働力が安いからだ。ではなぜ労働力が安いのかと言えば、中国の機械設備が日本と比べそのレベルだからだと思う。しかし それが商品であるならば、つまり人が入ってきていて、不当に安い賃金で働いているのではないのなら、日本で作るものは、それが人の手によってだけで作られ ていないならば、機械設備の優位を生かして、質の高いものを作れるはずだ。質がもう需要から見て限界に来ているならばその商品はあきらめるしかない。そし て中国ではできないであろうほかのことをするしかない。しかし人も入ってきているし、日本の設備も中国へ行っている。だからこれが原因であると言えるかも しれない。

しかし、デフレになっているのは日本だけだ、ということになれば、他の国はうまく処理していることになる。うまく処理できるようなものは本質的な原因とは言えないとも言える。

3、シルバー資本主義

ちゃんと調べてないが、人口減少の影響はまだそんなに多くないと思う。

4、貨幣の量が足りない

デフレ脱却と言っている人たちの多くはこれだと思う。しかし現状銀行の預貸率は50%位で、銀行が企業に金を貸すどころか、企業が銀行に預ける傾向が大きいと言うことだから市中銀行に貨幣が足りないということはないと思う。

それに貨幣は生産性の改善によって増えるのであって、その逆ではないだろう。

一部ではヘリマネとか政府紙幣とか言う声もあるが、それをやるなら永遠にやらなければならないはずであり、そうでなければ本質的解決とは言えない、それはBIと同じになる。

5、賃金が減った

ということでこれが原因だとおもう。賃金が減ったのは労働運動の弱体化であり、その原因はソ連の崩壊や中国の市場化といってもいいだろう。日本のような先進国では労働者の所得の半分以上は選択消費、つまり消費しなくても生きていける消費、であり、賃金が減ったことにより、購買力がなくなり、需要が減る。新需要を求めようにも購買力が下がっているのだからそれだけ難しくなる。

賃金の話をすると労働分配率を持ち出されるかもしれないが、それは賃金が下がった結果、上に書いた理由で利潤も下がり一定になる、とすればいいだろう。

とすればデフレを克服するには賃金を上げるということになるが、これは一時的に見れば企業の負担になるし、経済学にはこういう考えもないだろうから、反対されるだろう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)